映画
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『アップサイドダウン 重力の恋人』
プロローグのアダムによる説明。
あのアニメーションを見るのに一生懸命になってしまい、字幕を追うのを忘れてしまったので、ストーリー追いながらそういうことだったんだ!って気づいてました(汗)
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まずは映像について
下の世界も上の世界も青みがかってます。
上の世界は近未来的な電気の色なカンジの青。
下の世界は薄暗い油の雨が降るいかにも貧困というかスラムというか、そんな雰囲気を反映したかのような青。
そして、 重力。
アダム目線で語られるときは上の世界は逆さまに見える。
逆にエデン目線の時は下の世界が逆さまに見える。
疲れていたり車酔いする人は最初慣れるまでちょっとツラいかな。
でも、部長室でアダムが書類にサインするシーンとかは滑稽に見えてしまうカンジでよかった。
雲とかはCG
最初合成を駆使する映画なのかな?と思ってたんだけど、あんまり合成合成してない。
本当にワイヤーで演者を吊ってるんじゃないかというリアルな映像なのが冷めずにファンタジックに楽しめる。
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思えばアダムの周りにいる人たちはみんないい人たち。
パブロも最初は上の世界へ行くことに反対するけど結局応援しているし。
アルバートも大叔母さんも貧しいけれど、心までは貧しくなかったんだろうな。
トランスワールド社とは真逆の精神。
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そして最たるいい人はボブだろう。
ティモシー・スポール、『英国王のスピーチ』のチャーチル役の俳優さん。
ボブが解雇を通達されるシーンでは、悪気のなさそうなアダムに「アンタがボブを名乗って上の世界に行ったからだよ!」と思ったけれど、自らの上の世界のIDカードを置いて行ったということはボブもわかった上でのことだったんだろうなって後になって思った。
よく考えればトランスワールド社唯一の喫煙者=変わり者
ボブにエデンに会いたいと喫煙室で言われたときからアダムという人間が何かを起こすことぐらいわかっていたのだろう。
またしてもアダムとエデンが引き離され、もうこれでダメか・・・と思ったときにこの人がいるじゃん!とすぐに思ったもの。
ボブなら何かできるとわかっててアダムも上の液体と下の液体の融合を彼にだけは見せていたのだろう。
最後は彼によってトランスワールド社の鼻を明かしたのも気持ちよかったなぁ。
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ラストにはええーっとなってしまった・・・
(まあエデンの記憶が戻るのもあっさりでええーっだったが)
子供ができたって・・・
やっとのことで会っても逆物質が燃えたり、監視に追われたり、いつの間にいちゃいちゃする時間会ったんだよー
妊娠して体質が変化して下の世界にも入れるようになったって、ボブが特許を取得した薬で中間の世界に生きて上と下を行ったり来たりで切るようになりましたとさだと思っていたのに。
でも、下の世界も上の世界のように富める世界になる。
もしもクリームや注射の特許をトランスワールド社が得ていたら上の世界と下の世界の貧富の差はより大きくなっていたのだろう。
ウラなどなくただ「下の世界にも行ってみたい」という気持ちだけで特許を得たボブだからこそ、このように薬が使われて人々が行き来をするようになり、上の世界と下の世界が共存したのだろう。
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小さい頃、人間の目は逆さに映し出されているんだという話を聞いたときに、自分や建物は実は逆さまなんだということを考えたことがあったけれど、どちらか逆さまにうつっている人間を見ているとそんなことを思い出しました。
今こうして椅子に座って映画を見ている自分だって目に映らなければ逆さなのかもしれないって。
そんなことを考えながら、宙吊りになるって、反対の重力を持つ人に捕まり宙に浮くって、そんなことを想像する映画でした。
- 2013.09.20 Friday
- 23:55